写真/Laila El-Haddad and Maggie Schmitt, from The Gaza Kitchen (Just World Books, 2016.)
パレスチナ〈ガザ地区〉に暮らす人々は今、イスラエルによるジェノサイドのなかで飢餓状態を強いられています。オレンジページは、2016年にアメリカで出版され、ガザで生きる人々の食と暮らしを伝える本『The Gaza Kitchen: A Palestinian Culinary Journey(ガザ・キッチン パレスチナ料理をめぐる旅)』の第3版の日本語翻訳版を6月に発売しました。338ページもの誌面に収められているのは、ガザに特化した美しい料理とレシピの数々、そして人々の暮らしや伝統、文化や当時の地区封鎖の状況が丹念な取材によって綴られており、世界的に大きな反響を呼んでいます。
コトラボでは、翻訳本の発売と連動して〈ガザの料理を通して、今を知る〉イベントを開催します。アラブの食文化に造詣が深いアラブ料理研究家・小松あきさんに掲載されたレシピの中から4品を再現。ガザ料理は、中東料理としてはなじみ深いものがある一方、多くはガザにしかない土地に根づいた固有の料理。ハーブや香辛料、にんにく、こしょう、レモンなど、香りと風味を立たせて仕上げるのが特徴的です。
当日は、牛肉を使った「レモン風味のチャードとひよこ豆と米のシチュー」「きのこの煮込み」、「ガザ風トマトとディルの辛味サラダ」と、デザートには「ガザ風ミルクプディング」を作ります。アラブの食卓を語るうえで欠かせない平たいパンを添えて。そして、かつてのガザでは、葬儀や結婚式、宗教行事など人が集まる時、そこにかかせないカルダモン入りのコーヒーがあったそう。本のなかからセレクトした〈ガザの料理〉をおめしあがりいただきます。
ゲストには、この本の翻訳・監修をされた藤井光さんと、同じく監修をされた現代アラブ文学・パレスチナ問題研究者の岡 真理さんを予定。ガザのおいしい料理をいただきながら、この地に生きる人々にとって故郷であり、歴史であり、抵抗でもある「食」についてお話しいただくとともに、『ガザ・キッチン』を通して日本で伝えたい想いについてお話をうかがいます。
この機会にぜひ、ガザ地区の暮らしと人々の姿を知り、あらためて現状を見つめる時間を共有しませんか。みなさまのご参加をお待ちしています。
※『ガザ・キッチン パレスチナ料理をめぐる旅』 ライラー・エル=ハッダードとマギー・シュミットの著作による現代を代表する本として、世界的に評価の高い『The Gaza Kitchen』の第三版。旧版の読者に愛された内容をすべて残し、それに加えて新たなレシピと、2019年にライラー・エル=ハッダードが国連の世界食糧計画の代表団の一員ととともにガザに戻った際の最新情報が収録されています。初の日本語版としてこの6月に発売されました。(翻訳監修/藤井光、監修/岡真理)
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